カルドハイムについて
北欧神話を舞台とした氷雪や、神のカードが存在するカルドハイムが2021年1月28日からプレリリースされます!この記事では、カルドハイムのメカニズムを予習することで、素早いスタートアップを切れるようにできればと思います!
以下の解説では、カルドハイムのメカニズムを、リミテッド(ドラフト、シールド)の観点で説明していきます!
カードリスト
カルドハイムのカードリストは以下からアクセスできます!参考までに、他のスタンダードのカードセットも一緒に載せておきます。
カルドハイムのメカニズム
カルドハイムのメカニズムは以下の通りです。上から順に説明していきますね!
予顕(よげん)
新規メカニズム
あなたのターンの間ならいつでも、あなたは{2}を支払って、あなたの手札から予顕を持つカードを裏向きに追放できます。そして後のターンに、その追放したカードをそれのマナ・コストではなく予顕コスト(テキスト内にあるキーワード「予顕」に含まれるコスト)で唱えることができます。
概要
予顕とは、予測や予知から来ている造語キーワードのようです。未来のために、そのカードに対して2マナ払って投資しておくイメージでしょうか!
予顕のタイプは大きく2つに分けられます。
- 単純にコストを分割できるカード(例. 4マナを、2+2コストに分割)
- 合計コストは増えるが、追加の効果を得るカード
裏向きに追放するコストは全てのカードで{2}と決まっています。コストを分割できる能力も、要は状況によって使い分けができるということです。この類のカードは、対応範囲が広がるため、マジックにおいて強力です。
効果的な使い方の例
4~6マナのカードを3,4ターン目に使う
2ターン目にマナクリーチャーを出して加速するようなイメージですね。しかしここはさすがウィザーズというところなのか、レアカード以外でこのムーブができるカードはこの程度しかありませんでした!他のカードは「効果は強いが、加速して出してもあまり強くない」ようなカードが多いですね。
5,6マナのカードを土地を待たずに使える
上と少し似ていますが内容は異なります。ドロー無しで5マナ、6マナのカードを最速ターンで使える状況というのは、運良く土地をたまたま引けている、と言える状況です。一方、予顕では2コストを分割して支払えるので、高コストのカードでも、土地が来ないせいで唱えられないという状況にはならないでしょう。
2ターン目に何もしないという事故を減らせる
2マナのカードが初手に来なかった場合は、2ターン目に予顕カードをとりあえず追放しておくことができます。なお、これは2マナのカードを減らす理由にはならないとは思います。
追放した次ターン以降のスキを減らせる
追放したターンこそは2マナを使ってしまいますが、次のターン以降は軽いコストで唱えることができます。何のカードが予顕されているかは相手には分かりません。予顕はインスタントのカードと組み合わせると、いやらしい動きができそうです。
プレイ上の注意点、デメリットなど
カードを追放したそのターンには唱えられない!
最も間違えやすそうな特徴ですが、追放したカードはそのターンには使うことができません。インスタント(瞬速)なら、相手のターン、それ以外なら次の自分のターンまで待つ必要があります。特に、<<マンモス化>>のような、コンバットトリックで使う可能性のあるインスタント系のカードをメインフェイズ1で追放しないように気をつけましょう。必ずメインフェイズ2で追放しましょう。
予顕能力によって追放することは特別な処理であり、スタックを用いない
カードの追放はスタックに乗りませんので、「予顕能力によってカードを追放する」ことに対して何か対応することはできません。(優先権は相手プレイヤーに与えられません。)
予顕コストで唱えるカードのタイミングは、予顕したカードに従う
予顕したカードがインスタントや瞬速持ちのカードであれば、インスタントタイミングで使えますし、それ以外ならソーサリータイミングということになります。なお、カードを追放することは予顕の能力なので、必ずソーサリータイミングになります。
各ゲームの終了時に、裏向きで予顕されていたすべてのカードをすべてのプレイヤーに対して公開しなければなりません。
誇示(こじ)
新規メカニズム
誇示は起動型能力で、毎ターン1回のみ、この能力を持つクリーチャーがそのターンに攻撃していたときにのみ起動できる。
誇示 ― {2}{R}:赤の2/1のドワーフ・狂戦士・クリーチャー・トークン1体を生成する。(この能力は、このターンにこのクリーチャーが攻撃していたときにのみ、毎ターン1回のみ起動できる。)
サンプル
概要
誇示はそのまま日本語ですね。「誇らしげに示すこと」という意味ですから、先に何か誇らしいことをしないといけません!なので、攻撃をした後にだけ起動できるイメージのようです。
主に、戦士・狂戦士が多く持つ能力であり、色は白・黒・赤が多いです。戦士が多い色ですね。緑にも1枚だけ存在し、青には存在しない能力になります。
誇示を起動することで、アドバンテージをとれたりテンポをとれたり、色々な恩恵を得られます。誇示できるよう「アタックできる状態がつくる」ようなカードと組み合わせることを心がけましょう。
効果的な使い方の例
コンバットトリックを用意しておく
誇示を起動することだけが、誇示の強さではありません。対戦相手としては誇示クリーチャーに毎ターン殴られると不利すぎるので、どうにかブロックしようとしてくるはずです。そこにコンバットトリックを使いましょう!マナが余って誇示を起動できればなお良いですね。相手としては、ブロックしづらくなると、誇示クリーチャーに除去カードを使ってくるかもしれません。そしたら飛行クリーチャーやレアカードなどを無事に着地させましょう!
回避能力を付与する
回避能力といえば飛行ですね!前述の通り、青自体には誇示クリーチャーは存在しませんので注意して下さい。もし、誇示クリーチャーに飛行をつけることで毎ターン誇示できる状況を作り出せるかもしれません!誇示クリーチャー次第(例えばトークンクリーチャーを生成する等)では、これでGGかもしれません。
無理に誇示クリーチャーを温存しようとしない
誇示クリーチャーはその特性上、どうしても「相手のブロッククリーチャーと交換されるなら殴りたくない」ということがあると思います。しかし、状況に応じてはそれでも殴りにいきましょう。例えば、上記の<<ドローガーの徴募兵>>は、毎ターン誇示を起動できたら非常に有利になるカードかもしれません。しかし、相手の場にブロッククリーチャーが十分にいるが、自分の墓地に強力なレアクリーチャーがある、ような状態であればさっさと殴ってして誇示を起動するのも手です。ただし、自分だけが一方的に死ぬ状況ですとさすがに殴らないほうが良いでしょう。
攻撃後、ブロックされたら誇示を起動して生贄にする
少しトリッキーですが、「誇示クリーチャーはブロックで一方的に死ぬが、誇示を起動したい、状況を動かしたい」ような場面での使い方です。攻撃した後、ブロックされた後に誇示能力を起動して、誇示クリーチャーを生贄にしてしまいましょう!
プレイ上の注意点、デメリットなど
誇示の起動は、攻撃指定の後ならいつでも良い
誇示は、攻撃クリーチャーとして指定し終えた後であれば以降はいつでも起動できます。以下のようなタイミングがあります。例えば、クリーチャーを生成するような能力なら、戦闘中に出す必要は基本的にないので、戦闘後のメインフェイズ中に出して良いのです。
- ブロック・クリーチャーが指定される前
- ブロック・クリーチャーが指定された後戦闘ダメージを受ける前
- 戦闘中だが戦闘ダメージを受けた後
- 戦闘後メイン・フェイズ中
- 終了ステップ中
- (一応…)クリンナップ・ステップ中
誇示能力を持つクリーチャーが攻撃している状態で戦場に出たなら、それは攻撃クリーチャー
として指定されてはいません。そのターンにそれの誇示能力を起動することはできません。
多相(たそう)
多相は、クリーチャーにすべてのクリーチャー・タイプを与えるキーワード能力である。
多相は特性定義能力である。それを持つカードが戦場にある間のみではなく、すべての領域で機能する。
多相(このカードはすべてのクリーチャー・タイプである。)
概要
多相がまさかの再録です。効果はシンプルで分かりやすく、意外と強力な能力です。
カルドハイムでは、青と緑が多相を有しています。アーティファクトでは、<<血統詐称者>>だけが多相を有しています。多相を持つことで、他のカードからの支援を多く受けることができます。多相は、戦場以外でも有効な能力です。特に、墓地にいても全てのクリーチャータイプを持つことは知っておきましょう!
効果的な使い方の例
クリーチャータイプを参照するカードとのシナジー
多相なので当たり前ですが、意外とシナジーを忘れがちな部分もあるので記載しておきます!
<<圧死>>では、多相は巨人でもありますから、2マナで唱えられます。
<<背信の王、ナーフィ>>では、多相はゾンビでもあるので、+1/+1修正を受けます。
<<血空の虐殺>>では、多相は狂戦士でもあるので、第二章の効果では多相クリーチャーのアタックでドローができます。第三章では赤マナが加わります。強い!!!ただし、赤黒は多相を含まない色でして、うまく調整されてますね…。
プレイ上の注意点、デメリットなど
「クリーチャータイプが、◯◯ではない」や、プロテクションの対象になってしまう
多相は全てのクリーチャータイプを持つことにより、デメリットも享受してしまいます。天使”でない”や、プロテクション(神)の対象になってしまいますので、この点は注意しましょう。
多相の戦士というサブタイプがタイプ行に記載されているのは、主にフレイバーを強化するた
めである。多相を持つクリーチャー・カードは、それが多相の戦士であるのと同時に、エルフ
でありドワーフでありスリヴァーでありヤギであり臆病者でありゾンビである。
氷雪(特殊タイプ)
パーマネント・タイプ(土地も含まれる)、インスタントやソーサリーなどの様々なカード・タイプに記載される、特殊タイプのこと。氷雪を参照する呪文や能力が存在する。
{S}{S}:ターン終了時まで、氷皮のトロールは+2/+0の修整を受け破壊不能を得る。これをタップする。(ダメージや「破壊」と書かれた効果では、これは破壊されない。{S}は氷雪である発生源からのマナ1点で支払える。)
サンプル
概要
氷雪は、分かりやすい効果です。氷雪マナ、氷雪パーマネント、氷雪ソーサリー、など色々な言葉の前に氷雪がつきます。戦場に氷雪マナ、氷雪パーマネントがそれぞれいくつ存在するかは常に把握しておいたほうが良いですね。
なお、色としては青、黒、緑の3色に限られ、白と赤に氷雪のカードはありません。しかし、土地は全ての色に存在します!氷雪でデッキを固める場合は、基本は青、黒、緑の3色で選びたいですね。そうでない場合は、氷雪は使えたらラッキー程度でも構わないと思います。
効果的な使い方の例
氷雪を参照するカードと氷雪カードを組み合わせる
シンプルな効果故に、使い方もシンプルです!氷雪のカードが多くあるなら、氷雪でデッキを固めて氷雪デッキにするのも有りですね。
プレイ上の注意点、デメリットなど
リミテッド(ドラフト、シールド)で、基本氷雪土地は手に入れた分だけしか入れられない
リミテッドのルールとして、普通の基本土地は好きなだけ入れられますよね。しかしながら、氷雪基本土地はパックから出た分、またはドラフトでピックした分しか入れられません。十分に注意しましょう!
「氷雪」はマナのタイプではない
氷雪である発生源からのマナ(以下、氷雪マナ)とは、そのマナ(色)を問いません。例えば、基本氷雪土地の島から生み出されるマナは、青マナであり、氷雪マナでもあります。間違いの例として、「氷雪土地をタップして、氷雪マナを生み出します」と宣言するのは違う、ってことですね。また、好きな色のマナを加える場合に、「好きな色として氷雪マナを加えます」もダメです。間違いやすいと思うので、気をつけて下さい。
カードの中には、唱えるために支払った氷雪マナについて追加の効果を持つものがある。それらの呪文は、唱えるために氷雪マナを支払わずに唱えることができる。それの追加の効果は単に何も
しない。
モードを持つ両面カード
モードを持つ両面カードは『ゼンディカーの夜明け』セットで登場したが、『カルドハイム』では新たな驚きとともに帰ってきた。モードを持つ両面カードは特別な柔軟性を与えてくれる。戦況に応じてどちらの面でもプレイできるのだ。『ゼンディカーの夜明け』では、モードを持つ両面カードの第2面はすべて土地の面だった。『カルドハイム』のモードを持つ両面カードの中には、土地でない面を2つ持つものがあるのだ。
概要
両面カードは分かりやすいメカニズムで、唱える際に表か裏かどちらかのモード好きな方を使うことができます。カルドハイムでは、全ての両面カードはレアカードまたは神話カードです。そのため、リミテッドではそこまで見る機会は多くないかもしれないです。両面カードはリミテッドで強力なカードが多いです。色があえば必ず入れて良いでしょう!
効果的な使い方の例
マナカーブをそこまで意識しなくて良い
両面カードの表と裏のマナカーブは異なる場合が多いです。そのため、土地が来ないような場合でも低マナのモードを使えるため、マナ不足でカードが唱えられないという状況にはなりません。
手札に戻すことで別のモードで唱えられる
既に場にある両面カードを手札に戻すと、当然ですが次のモードの選択は自由です。気をつけたいことは、対戦相手の両面カードをバウンスするのは危険ということです。
両面の伝説のカードが場にあるなら、異なるモードで出せば良い
リミテッドで2枚以上同じ両面カードを引き当てることはないとは思いますが、表面と裏面が別のカードであるため、どちらかが伝説で既に場にあったとしても、次は別のモードを選べば良い、ということは覚えておきましょう。
プレイ上の注意点、デメリットなど
戦場とスタック以外では、第一面の特性が考慮される
戦場とスタック以外(手札、墓地、追放領域など)では、両面カードの特性は第一面のみを考慮します。上記の画像を例にすると、戦場とスタック以外では、<<戦闘の神、ハルヴァール>>として扱われるということです。例えば、「クリーチャーを戦場に戻す」ようなカードの対象にした場合は、<<戦闘の神、ハルヴァール>>として戦場に出ます。戦場に出るときに<<領界の剣>>にひっくり返す、とかはできません。
ただし複雑な点として、「墓地のカードをプレイして(唱えて)良い」ようなカードの効果が適用されていれば、墓地にある<<戦闘の神、ハルヴァール>>を、裏のモードである<<領界の剣>>としてプレイしても構いません。墓地にあっても、唱える場合には両面モードの特性により裏面も選べるってことですね。ただし、カルドハイムのカードセットだけではこの状況は発生しないと思われます。
構築で使う場合はカードプールが広い関係で複雑になるため、リリースノートを確認しておきましょう。
英雄譚(えいゆうたん)
複数の章(I, II, III…)と、伝承カウンターを持つエンチャントカードである。
英雄譚が戦場に出るに際し、それのコントローラーはそれの上に伝承カウンターを1個置く。あなたの戦闘前メイン・フェイズが始まる際(あなたのドロー・ステップの直後)にも、あなたがコントロールしている各英雄譚の上に伝承カウンターをそれぞれ1個置く。これらのいずれかにより英雄譚に伝承カウンターを置くことは、スタックを使わない。
(この英雄譚が出た際とあなたのドロー・ステップの後に、伝承カウンターを1個加える。III の後に、生け贄に捧げる。)
サンプル
I ― 対戦相手がコントロールしていて土地でないパーマネント1つを対象とする。それを破壊する。
II ― あなたのライブラリーから森・カード1枚を探し、タップ状態で戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。
III ― ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは接死を得る。
概要
人気の高い英雄譚シリーズが再録されました。カードのイラストもキレイですよね!
主に3章から構成され、毎ターンに伝承カウンターを置いて章を一つずつ進め、その度に効果が誘発します。時間は必要ですが、最終的なアドバンテージがとれるデザインが多いです。英雄譚は一見複雑そうなカードに見えますが、とてもシンプルなカードです。なので、効果的な使い方はコレ!というのはほとんどありません。
効果的な使い方の例
3章目の対象がいなくても先に置いて相手を牽制する
3章目に除去の効果がある場合、相手の場に良い除去対象がいない場合でも、予め英雄譚を出しておくことが有効な場合もあります。ただし、これは自分が攻めている場合です。カード使い切って相手を押し切りたい場合、このような先出しを検討しましょう。
プレイ上の注意点、デメリットなど
伝承カウンターを置くのはドローの後
ドローの後に伝承カウンターをおき、効果を誘発させるのがルールです。ドローの前に置かないように気を付けて下さい。
英雄譚の上に置かれた伝承カウンターの数がその英雄譚の最大の章番号の数以上になったなら、それの章能力がスタックを離れた(たとえば、それが解決されたり打ち消されたりした)後で、その英雄譚のコントローラーはその英雄譚を生け贄に捧げる。これは状況起因処理であり、スタックを使わない。
最後に
カルドハイムのメカニズムはいかがでしたでしょうか?私も色々気付き次第、新しい記事をあげていきたいと思います。何かあればコメント欄で教えていただけるとありがたいです!
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